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2017年3月14日 (火)

残業問題が日本を潰す


電通の高橋まつりさん過労自殺事件以来、
その原因がすべて残業問題にすり替わっている。

高橋まつりさんの自殺は、
過酷な残業の強制に加えて、理不尽な職場環境に
より大きな問題があったのではないかと思うが、
それがいつの間にか残業制限と
残業代の全額支払いへ向かっている。

オートメーションの工場労働のように、
時間あたりの生産量が計算できるケースでは
それは可能だろう。

しかしながら、個々の能力により
大きく生産性が異なるケースでは、
残業制限や残業代の全額支払いは難しくなる。

たとえば1時間に100個生産するAと
1時間に50個しか生産できないBがいた場合、
1日800個生産を目標とすると
Aは定時帰宅で800個
Bは800個生産するためには+8時間の残業が必要だが、
月100時間の残業制限が加わると
5時間しか残業できないことになる。
(1カ月20日労働として計算)

で、どちらも時給1,000円として計算すると
Aは800個生産して日給8,000円
Bは650個生産して日給14,250円となる。
(残業代は1.25%の加算のみとした概算)

こうした能力により逆転する給与の不公平は、
営業でも、事務でも、研究開発でも、様々な仕事において起こり得るが、
これを調整するために企業は様々な工夫を行なってきた。

しかしながら、残業規制や残業代の全額支払いを強制されると、
そうした工夫が困難になってしまう。

生産数量に応じた給与体系にすれば良いと考えられたかも知れないが、
多くの仕事は個数で表わすことはできず、能力給ということだけでは
カバーしきれない。

いま管理職は、経営者から残業を減らすように命じられるが、
仕事を途中で放り出すことはできないし、
残業をさせられないということになると、
自宅に持ち帰ってやらさざるを得なくなる。

要するに残業を国が規制すればするほど、
企業の裁量の余地がなくなり、
さらに残業代の支払いが経営を圧迫していくだろう。

外国人労働者が増えており、彼らが人権派弁護士と結託することで
残業代訴訟が激増することも想像される。

これが、いかに日本企業の競争能力を毀損するかを考えると、
将来に禍根を残す規制強化になると思う。

日本人の労働感は、欧米のように仕事を苦役とは考えない。
労働することが喜びであり、生きがいであったりする。

残業による過労自殺は、そうした喜びや生きがいを奪う
理不尽な労働環境にこそあったのではないだろうか。


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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

私もこの問題に関して非常に複雑な気持ちでいます。

資本主義の本質は富の増殖です。
そしてその背景には必ず多少の差こそあれ労働力等の搾取があります。
これについては公平な富の分配をする以外に外は無く、労働者は優遇されるべき存在ではあります。

ただ、行き過ぎた権利や富の分配を要求する事は自由市場経済にとって競合他社が存在する事から、競争力の低下を招き自滅の道を辿る危険性が高まります。

現在は日本の企業は内部留保を溜め企業体力を伸長してきましたので、多少の昇給でも持ち堪えられる様になったと思います。
しかし問題は残業時間です。

kanataさんの仰る様に企業の独自の裁量権を狭める事により今後倒産する企業が沢山出てくる事も予想されますから、今回の残業規制は事実上の国力・国益毀損を招く結果になると思います。

そもそもこの手の話しによく出てくる欧米企業や海外の制度を引き合いに出す事は、それぞれの国や企業の事情が違うので単純に日本の企業や制度と比較しても全く当てはまりません。
それに、(海外の)世界的に有名な企業でも残業はありますし自由に見えて実は非常に厳しいのが常で一概に残業が何時間以内と括れない現実があると思います。

かくゆう私自身も非常に過酷な勤務状況だった経験がありますが、別段特に体調を崩すとか病気になったり自殺を考えたという事はありません。
飲食関係の仕事で新店舗の開店スタッフとして派遣される事が多かった事から、約1ヶ月半休日無しに毎日19~21時間勤務する生活が数ヶ月おきにあった時期があるので、そのきつさについてはよく分かっているつもりです。
しかしそれでも何とか乗り切れたのは自分が何とかしなくてはという責任感と同じ職場で働く上司を含めた仲間達のお陰です。
これだけを見れば世間的には完全なブラック企業でしょう。
そして私が働いていた会社は確かにブラック企業でした。
勤務時間だけでなく季節毎にケーキやお節等の他企業との協力で販売ノルマを課されるばかりか平社員なら2~3個、役職によって更に買わせたり、年に1度本社に各企業を招いてバザーと称した買い物(何故か定価)を最低金額を設定して買わせたりと言った労働力と金銭の搾取が行われていましたから。

但し、陰湿ないじめや嫌がらせと言ったものは無く、寧ろ様々な諸問題を排除して純粋に職場環境・職場の雰囲気としてはどうだったかと言われれば、同僚や上司の人格には大きな問題は無く、良好だったと思っています。

私はブラック企業や残業問題の根本的な本質は職場環境だと思います。
確かに時間的な事も問題でしょう。
そして残業代や給与はきちんと支払う義務があるし改善すべき点があれば改善されないといけないと思います。

ただ、kanataさんが仰った様にそれによって企業の体力が致命的に落ちたり、また勤務時間の関係で能力の差があるにも関わらず不公平が生じる様な事があってはなりません。
給与は時間も大事だけど能力や生産性はそれ以上に企業にとって大事なのでそこを考慮に入れず十把一絡げに論じるのは些か無理筋な気がします。

他でも同様の事が起きてますが最近は無理が通れば道理が引っ込む式の強引な論理が罷り通っている様に感じます。

そもそも論として、日本の労働環境は大きな点観点に差し掛かっており、今後の労働人口だけでなくAIやロボットを始めとした科学技術力によって労働生産性の向上や雇用形態や雇用環境が更に大きく変わっていきます。
ホリエモンの様な呑気な知識人気取りの人間は、(前述の様な科学技術革新により)ベーシックインカムが導入されて人間はこれから殆ど働かずして如何に有意義に余暇を楽しむかの時代になるみたいな妄想を吐いていますが、絶対にそんな時代は来ません。
寧ろ格差が広がる危険性が高いというのが実情です。

自分に資金があって、そういった機械を購入して殆ど何もしなくてもその機械が勝手にお金を稼いでくれる環境になったとして、果たしてそれを他人の為に差し出すでしょうか…?
仮に税金として支払った分が使われるとして、それで使われるお金が必ずしも自分に返ってくる訳ではないし、ましてや今の様に大金を稼ぐとは限りません。
つまり経済規模が縮小する可能性もあるので非現実的だと思います。

経済活動というのは基本的に労働が伴って初めて成立するので、消費するだけの人間が増えてしまえばそれは一部の富裕層が養う形になり、結果的に経済だけでなく社会をも破壊しかねない危険な状況になっていきます。(人は元々怠け者だから無期限に暇になるとそれだけで無気力になり活力を失います)
その様なリスクも抱えながら、果たしてそんな便利な「道具」を持つ一部の人が、ヒモ同然の人間を快く養っていく筈がありませんし、寧ろ独占する方向で動くので、こんなユートピアみたいな未来はあり得ないのです。

現状と現実をもっとよく見て下さいと言いたいです。
GoogleもMicrosoftも他のグローバル企業を見ても、様々な技術開発に巨費を投じています。
その先にあるのは何かというと権利ビジネスです。
世界の基準になる技術が誕生すれば、それだけで莫大な利益になり更に沢山の人や技術も集まります。
米国はここが非常に上手く、現時点でも多くの知的財産を背景に稼ぎまくっています。

そして現在開発中の技術が市場に出れば約半数の職が失われるとも言われています。


さて、ここで違う疑問が生じます。
日本は今後少子化により労働人口が減少して経済が縮小していく、今も労働力が足りない業界が増えてきていると言われています。
確かにまだ革新的な技術が開発された訳でも市場にある訳でもありません。
しかし、それなら何故労働移民を受け入れる為に議論されているのでしょう?
何故労働力不足が叫ばれてる業界を中心に様々な理由を掲げて急いで移民を入れようとしているのでしょう?
その動きは特亜勢力の日本侵略と安い労働力を得たい業界の利害が一致している事が大きな原因だと思います。
こうした状況を打開する為に労働環境の改善が必要ではありますが、だからと言って全てを同じ条件で考える事もそれ以上に愚かな事だと思います。
実社会で小学校の運動会の様に皆お手々繋いで仲良くゴール、誰もが皆1等賞なんてお花畑にも程があります。

倒産せず、残業もしないで皆が満足する給与を貰いながら定年迄働ける、転職も自由に選択出来る、そんな未来も前述のベーシックインカム同様あり得ないと思います。

ではその皺寄せがどこに来るかと言えば間違い無く今いる社員です。
kanataさんも仰ってた宿題という名の在宅勤務による帳尻合わせの横行です。
これには非常に多くの、そして大きなリスクが生じると思います。

まず真っ先に考えられるのは、その実態が明るみに出た時の批判です。
残業が無い代わりに皆自宅に持ち帰り、その分の残業代は支払われないという事が問題視され、企業イメージを大きく毀損するでしょう。
それから社外秘を始めとした企業秘密や情報漏洩のリスクも考えられます。
実質的な在宅勤務をする上で、重要な書類や大事な情報が入っているPCを持ち歩く事は紛失や盗難の危険性があり、こちらも時に倒産に繋がる様な致命傷を受けかねません。

私は残業時間の規制よりもいじめや嫌がらせと言った職場環境の改善が大事であり過労死の最大の原因は対人関係にあると思っています。
対人関係が良好で仕事自体にも不満が無ければ恐らく過労死や自殺と言った事件も大幅に減ると思いますし、威圧的な態度や強要する風潮が無くなれば容易に転職する事も出来るので状況が良くなっていくと思います。

だけどそうした動きは今の所無いのでこれから色々と混乱しそうな気配がします。


労働関係の法令も西洋由来なんでしょう。西洋近代化の過程の都市部の工場労働者や若年労働者のライン従事者の「労働搾取」が前提にあって、それを防ぐ目的のものだったと想像しています。マルクスがロンドンで活動していたのも偶然ではないように思えます。

それを日本に移植して、時代の変化で労働の環境も質も、市民の意識も変わったのに、法令とシステムがついていけてない面が大きいと思います。
ラインとスタッフの区別だけでは、就業者の正当な労働対価を算出できないケースは多いのでしょう。

まつりさんの場合は、指摘どおり社内DVみたいなイジメの要素もあるので、さらに複雑です。いじめる側がどういう考えでいたのか、使いたいのか追い出したいのか。ラインでもスタッフでもない感覚が事件の背景にあります。
効率の良く成果をあげる仕事にもならず、経験をあげる試練でもなさそうなので奇妙です。いじめた側や放置していた人間の給与こそムダだったですね。

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