スパコンベンチャー逮捕
『助成金をだまし取った疑いで東京地検特捜部に逮捕された
「ペジーコンピューティング」代表取締役の斉藤元章容疑者(49)は、
スーパーコンピューターの小型化や省エネ化の旗手として知られ、
雑誌に「2番では絶対ダメ」と寄稿するなど、
技術力の向上に強い意欲を見せていた。
自身の著書によると、斉藤容疑者は新潟県出身で、新潟大医学部を卒業後、
東大大学院へ進んだ。
1997年に医療系システムを開発する企業を米シリコンバレーに設立。
コンピューター業界の賞を受けるなど評価を得た。
東日本大震災を機に「海外での実績と経験を日本の復興に生かすため」帰国した。
月刊誌「正論」の今年2月号への寄稿では、スパコン開発では中国が最先端を
走っており、「スパコンの能力=国力」の時代が到来しつつあると指摘。
2年後には他国に先駆けて次世代型スパコンを完成させたいと表明し
「そのための資金としては300億円程度が必要ですので、
その手当ても考えなくてはなりません」と記していた。』
(産経ニュース 2017.12.5 13:28)
http://www.sankei.com/affairs/news/171205/afr1712050039-n1.html
僕には「ペジーコンピューティング」代表取締役の斉藤元章容疑者が
どれほど悪いことをしたのかはよく分からない。
しかし今回の逮捕によって日本の次世代型スパコン開発が大きく遅れ、
しのぎを削るチャイナや米国との競争に勝てなくなるのではないか?
ペジー社などが開発した「暁光」は、11月に発表された世界スパコンランキングで
計算速度部門で4位、日本国内では1位になった。
同じく共同開発の「菖蒲システムB」は省エネ部門で世界1位を獲得し、
ペジー社は2年後の次世代型スパコン開発を目指していた矢先だった。
僕たちは日本の先端企業が、世界を席巻する新機軸を打ち出したときに、
それらが悉く潰される様を何度も見てきた。
1980年代、Windowsの10年先を走っていたと言われた
パソコンOSソフトTRON。
ソニーのロボット事業Aiboや有機ELパネル事業は
先行していたにも関わらずなぜか中断。
そして、ロボット事業には米国が十分なアドバンテージを得てから、
今頃になってソニーのAiboが復活。
有機ELテレビにも参入を決めたが、
有機ELパネルはLGディスプレイのものとなった。
東西冷戦が終わり、ターゲットが日本に移ってから、
あらゆることで日本がトップを走ることは
許されなくなった。
そうしたことの延長線上に、
今回の事件もあるような気がしてならない。
斉藤元章氏が言うように「スパコン=国力」の時代が来ているとすれば、
今回の逮捕は日本に決定的なダメージを与えかねない。
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アイデアも人材もあるのに、ベンチャーが育たない。超高性能コンピュータも、IoTも、ロボットも、バイオも、農産物の新品種改良も同じです。どこかで潰されるか、体力消耗してしまう。
OSもそうでしたね。WINDOWSが優れていたのではなく、政治力やブランド化と市場支配戦略が強かったのです。
日本は国家戦略の事業をいくつか選定して、国が強力にバックアップすべきです。日本には、米国のような大投資家がいません。中共シナのような国家事業づけも問題はありますが、世界規模で既成事実化されてブランド化すると、あとから中身もついてきたりします。
投稿: ゆ | 2017年12月 7日 (木) 22時24分
コメントありがとうございます。いまスパコンが人類の頭脳を越えようとしており、それ以降はスパコンがあらゆるモノを開発するため、その性能でNO.1を獲った国が、世界を制するといわれています。その天下分け目のときに、東京地検特捜部が日本で一番のスパコン開発企業を潰してしまったのです。
投稿: kanata | 2017年12月 9日 (土) 22時25分