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2019年10月14日 (月)

国の防災対策を否定する日経

『首都を含む多くの都県に「特別警報」が発令され、身近な河川が氾濫する事態を「自分の身に起きうること」と予期していた市民は、どれほどいただろうか。近年、頻発する災害は行政が主導してきた防災対策の限界を示し、市民や企業に発想の転換を迫っている。
2011年の東日本大震災は津波で多数の死傷者を出し、防潮堤などハードに頼る対策の限界を見せつけた。これを教訓に国や自治体は、注意報や警報を迅速に出して住民の命を守る「ソフト防災」を強めた。しかし18年の西日本豪雨でその限界も露呈した。気象庁は「命を守る行動を」と呼び掛けたが、逃げ遅れる住民が多かった。
堤防の増強が議論になるだろうが、公共工事の安易な積み増しは慎むべきだ。台風の強大化や豪雨の頻発は地球温暖化との関連が疑われ、堤防をかさ上げしても水害を防げる保証はない。人口減少が続くなか、費用対効果の面でも疑問が多い。(後略)』
(編集委員 久保田啓介)』
(日本経済新聞 電子版 2019/10/14 0:38)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50958710T11C19A0MM8000/

長野県知事の脱ダム宣言や民主党政権時代の事業仕分け、
とりわけ「スーパー堤防は、スーパー無駄遣い」という
愚かな発言に象徴される公共事業不要論により、
随分脆弱化してしまった日本ではあるが、
それでもダムや堤防のおかげで救われた命は
多かったのではないだろうか。

死者4,600人を出した昭和34年の伊勢湾台風や
死者1,200人を出した昭和33年の狩野川台風と比べて、
今回の台風19号による死者は50数名だという。
(だから良かったと言っているのではない)

もちろん家屋の構造等、昔と違う点は多いし、
今回の被害者はさらに拡大する可能性もある。

しかしながら、だからといって
今回の災害が「行政が主導してきた防災対策の限界」を示し、
堤防の増強が議論になっても「公共工事の安易な積み増しは
慎むべき」という結論が引き出される理由が分からない。

この久保田啓介という記者の頭の中は、
財務省の緊縮財政に侵され、腐っているとしか思えない。

「堤防をかさ上げしても水害を防げる保証はない」と言うが、
誰も保証を求めているのではなく、
少しでも被災者を減らす努力をすべきなのだ。

「人口減少が続くなか、費用対効果の面でも疑問が多い」とは、
金がかかるからやめろということか?

久保田啓介は、後段で
「自らの命は自ら守る意識を持つべきだ」
と偉そうに言う。

それはそうだろう。

だからといって、行政が少しでも国民が安全に暮らせるように、
防災・減災に努めるのをやめろという結論にはならないはずだ。

日本は自然災害が多く、古代から治水事業は
国の根幹をなす事業だった。

今回の大規模な被害を教訓に、
防災・減災のための国土強靭化に努めよ
というのなら分かるが、
「費用対効果に疑問がある」から
「自分で守れ」とはどういうことか。

こんな馬鹿な記事を書いているから、
新聞なんか誰も読まなくなるのだ。

 

「お前の話はもっともだ」と思われた方は、
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